私は25歳で結婚、27歳から不妊治療を始めて、タイミング法と人工授精を経て体外受精のおかげで29歳で1人目を出産、再び32歳で2人目治療を再開し、33歳のときに4回目の移植で2人目を妊娠しました。
不妊治療の辛さの感じ方は人それぞれだと私は思いますが、私にとっては子どもを授かり無事出産をするという過程は1人目も2人目もとてもハードルは高く、本当に!奇跡的なことなんだと身をもって感じました。
治療が進んでも結果が伴うとは限らず、お金や気力体力も使ったのにそれが報われない現実を突きつけられるのが不妊治療の辛いところのひとつ…。
治療している最中は失うことばかり…とネガティブに思うこともありましたが、自分の経験を振り返って5年間の不妊治療で得たことについて書いてみたいと思います。
20代から不妊治療をしている
専業主婦やパート勤務をしながら不妊治療をしている
不妊治療中で不安やモヤモヤを感じている
不妊治療を終えた人の経験を知りたい
お金と時間の使い方を考えること
不妊治療には家計に金銭的負担がかかります。
1人目は週3パートをしながら、2人目は始めフルタイム勤務で途中から退職した状態での治療でした。
2子とも保険適用前で、助成金は出るとは言えど体外受精まで進むと出ていく額がケタ違い。
今年4月から不妊治療の保険適用が始まりましたが、回数を重ねれば治療費は高額になるし、現在の日本では保険適用内での治療と自費治療での混合治療が認められていないため、元々していた治療や薬が一つでも保険適用外に当てはまると自費になるので、泣く泣く自費治療を選択せざるをえない人もいるのが現状です。
夫婦でガッツリ働いてる訳でも無いためいつまで続くか分からない治療費のことを考えると、お金の不安は常にありました。
やったことはまずは、家計の支出の見直し。
家計にかかっていた固定費を少しでも下げられるようにかけていた医療保険、自動車保険、家賃、通信費などを見直して、モノによっては解約やプラン変更をしました。
そして還元率の高いクレジットカードを1枚に絞って、可能な固定費(水道光熱費、ガス、電気、通信、保険)や高額な治療費の支払いもカード払いにしてポイントを貯めやすくしました。
固定費や治療費は毎月高額に支払っているので、勝手にどんどん貯まっていきます。
現金と同じようにポイントを支払いやたまの外食に使えると、家計にとってすごく助かりました。
それと、時間やお金の使い方のことを改めて考えてみること。
不妊治療中は入ってくる額より出ていく額が増えるのでお金を使うことを躊躇してしまいがちです。
今の生活も大切に過ごしたいし、今しかない子どもとも思い出を作りたい…。
その時考えて意識していたのは、
お金を使うときに優先順位やメリハリを考える
今出来る範囲の中で、家族が幸せになるような時間やお金の使い方を心がける
ということでした。
今は不妊治療費が優先だけど、家族と今しかない時間も大切。
日々の食費やたまの外食を大幅に減らすようなことはしたくない、家族との思い出を残すことは諦めたくなかったので、ポイントを外食に使ったり、旅行は泊まりでなく日帰りにしたり、今出来る範囲のお金の使い方を考えながら家族と楽しく過ごそうと考えたら気持ちが少し楽になりました。
無駄な支出や固定費を見直したり、自分たちが大切したいことへのお金や時間の使い方の考えは今も変わらず意識しています。
夫との関係・人の距離感を考えること
不妊治療中は限られた期間の中で決断していかないといけないこともあり、そのたび夫とたくさん話し合い決めていきました。
主に女性側が治療を受けますが、夫婦一緒の気持ちで治療に向かうことがなにより大切だと思っていたので採卵の際には自分のお腹に打つ自己注射を夫に打ってもらうこともありました。
育児が始まると自分のことで一杯になり、自分だけが大変に感じる…と多々思うことも。
しかし2人目治療の時に不妊治療と育児の両立や環境が合わず仕事を退職したことで、毎日仕事を頑張ってくれていることも決して当たり前なことでは無く、夫への感謝も改めて感じました。
不安な気持ちから、時にはぶつかり険悪な雰囲気になったこともありますが、治療期間やお金のこと、お互いの気持ちを今までたくさん話し合ってきたことで、今も色々なことを話し合える関係を築いていけているんじゃないかなと私は思っています。
また、不妊治療中は周りの妊娠出産に敏感になっていました。
分かってはいるけどその渦中にいると、人と比べないことって結構難しいんですよね。
だからとにかく今は自分の人生に集中する!!と自分に言い聞かせて、治療中はニュースやSNS、自分の心をざわつかせそうなものからはそっと離れるようにして、自分が大切にしたい人との関係に自分のエネルギーを使おうと意識を向けていました。
治療前は妊娠出産することがこんなにも難しいことだと思いませんでした。
人間は経験しないと分からないことはたくさんあると思いますが、人と関わるときにもその人の背景を想像しながら発言や行動することは人間関係において大切なことだと気づかされました。
自分の気持ちを大切にしながら少しずつ行動すること
本来私は、痛いことや怖いことが大嫌いでこんな私に体外受精なんてできるだろうかと思っていましたが、分からないことを調べて少しずつ行動することで不安は軽くなっていきました。
周りにも経験者がいなかったので、読書や経験者のブログで情報を得たり、体質改善のため自分で探した鍼治療院の先生から体外受精は医療の力で手助けしてもらうだけで最後は自分自身の力で妊娠するんだから自然妊娠と変わりないんだよと言ってもらえたことで体外受精へ踏み出す決意が持てました。
すぐに良い結果が出るとは限らず、先のことを考えすぎると一気に不安な気持ちに向かってしまうのが不妊治療。
ここまでの期間は頑張ろう、ここまでの治療をしてうまくいかなればいったんお休みしようなど区切りを決めながら進めていくことで、自分の気持ちをなるべく辛いほうへいかないようにできるんじゃないかなと思います。
自分の本当の気持ちを聞きながらしたいと思うことに少しずつ行動することで不安が軽減されること、行動してもうまくいかないことはあるけど得るものも必ずあることに改めて気づくことができました。
まずは自分の心と体を大切に..☆
受精から着床妊娠出産するまでの自分の子どもが誕生する奇跡的な過程を知ることができたこと
自然妊娠であれば妊娠が分かってエコーで胎嚢が分かったところから赤ちゃんの存在を確認できますが、体外受精は卵子と精子を受精させた胚と呼ばれる自分たちの卵を培養していく経過を見せてもらうことが出来ます。
私の病院では培養経過を一覧表でもらえるのですが、自分たちの卵たちの成長経過を見たときは感動と愛おしさで胸がいっぱいに….(T_T)
受精できるかも1つの壁ですが、培養したあとも胚盤胞というところまで成長できるのか、移植、着床、妊娠継続と壁は続きます。
先のことを考えると不安が押し寄せるので、1歩、また1歩と思いながら進んでいきました。
一旦外の世界に出し、凍結して、解凍してまたお腹に戻してお母さんの子宮にくっついて、無事にお腹の中で大きくなり生まれてきてくれるということは本当に奇跡的で強い生命力なんだなと体外受精を経験して強く感じることが出来ました。
子どもが理解できる年齢になったとき、どんな風に生まれてきてくれたのかを話せたらいいなと思っています。
おわりに
約5年間の不妊治療を経験し振り返って、1人目と2人目でも違う悩みがあり、治療中は壁にぶつかり人生が止まってしまっているような気持ちになることがありました。
それまでの自分の価値観もずいぶん変わりました。
こうして治療のことやお金、気持ちのことでたくさん悩んで考え行動したことは、今の生活や育児や人との関わり方でも意識していることも多く、これまでの経験から得るものもあり今に活きていると思います。
不妊治療をされている方が、辛かったりモヤモヤな気持ちを抱えていたら、治療を少しでも楽に前向きな気持ちで考えてもらえるきっかけになったら嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。